トレーニング

2019年4月27日

トレーニング山行の必要性

ジョンミューアトレイルは登山としての技術レベルや困難度は低いと言えます。

例えば、北アルプスの槍穂高や剣岳の稜線の鎖場のような険しい箇所は出てきません。

トレイルを歩く人をハイカーと呼ぶように、日本で言えばいわゆるハイキング、比較的整備された山道(トレイル)を歩くだけです。

とは言え、装備と食料をすべて自分で背負い数週間歩き続ける訳ですから基礎的な体力と持久力は絶対に必要となります。

さらに、もし何かアクシデントが発生した場合、最寄りの道路まで数日かかる場合もあるので、そのための準備と心構えは絶対に必要です。

ジョンミューアトレイルの出発前には、計画や準備に加えてトレーニング山行もしておくべきでしょう。

日本の山でJMTのトレーニング山行

トレーニング山行の目的

ジョンミューアトレイルに出発する前に日本で行うトレーニング山行には以下の様な目的があります。

  • 体力の確認
  • 装備のテスト
  • 食料と水分補給のテスト
  • 計画の見直し

体力の確認

まずは体力の確認です。
実際に持って行く装備を全て背負って、比較的平坦な山道を歩いてみましょう。
関東地方だったら奥多摩か奥武蔵、関西でしたら六甲のハイキングコースあたりで充分です。

テント泊で何日か歩ければ最高ですが、取りあえずは日帰りでも大丈夫です。

あくまで体力の目安をはかるためなので、季節は出来るだけ快適な時期を選んだ方が良いと思います。

ジョンミューアトレイルを3週間でスルーハイクする場合、1日の平均歩行距離は約11マイル(約17.6km)。
この距離が一つの目安ですが、実際にはキャンプサイトや地形の関係で歩く距離の長い日や短い日が出てきます。
(筆者の場合、最高で1日15マイル(約24km)以上歩きました。)

装備のテスト

装備のテスト、特に行動に関する道具類のテストは重要です。
ザックやストックのサイズ調整、水筒やカメラ類の収納方法、そして衣類のレイヤリングは、疲労の度合いに直接関わってきます。

重荷を背負って長期間歩くトレイルでは、ザックのフィッティングは特に大事です。
また、ストックの長さで歩行のリズムや疲労度度は大きく変わり、いざというときの安全性にも影響します。

カメラやスマホ、水や行動食は取り出し易く落としにくい収納にすることで時間の短縮と疲労の軽減に繋がります。

衣類のレイヤリングを適切にすることで、疲労度や天候の変化への対応が変わり。さらにトータルの装備重量を軽くすることが出来ます。

食料と水分補給のテスト

日帰りのトレーニング山行ではなかなか把握しにくいですが、行動食の種類と量を実際に試してみることも必要です。
ロングトレールではカロリー面だけで無く、食べやすさや飽きが来ないことも大事です。
実際、いつもは美味しいと思っていた行動食が、トレールの途中では飽きてしまったり、疲れた時にのどを通らなかったと言う話は良く有ります。

テント泊であれば、夕食と朝食のテストも出来ます。
炊事に掛かる時間や食べやすさ、片付けやすさもチェックしましょう。
全てのゴミを持ち帰る事が義務づけられているジョンミューアトレールでは、食後に残るゴミの量も重要な検討項目です。

使用する火器の燃料消費を計算しておくことも必要です。
燃料切れはもちろん困りますが、余分な燃料を背負って歩くのは体力のムダ遣いです。

実際に炊事をして上記項目をチェックする事は、テント泊のトレーニングが出来なくても自宅で可能なので、是非実行しておきたいです。

乾燥地帯を歩くジョンミューアトレイルでは水分補給はとても重要です。
容量はもちろんですが、のどが渇いた時に水筒がすぐに取り出せる様に工夫も必要です。
歩きながらいつでも水分補給が出来るハイドレーションシステムは、ジョンミューアトレイルではとても有効です。

計画の見直し

トレーニング山行で上記の項目をチェックしたら計画の見直しを行います。
体力の有無によっては日程の変更などスケジュール自体の変更が必要かもしれません。
あるいは、さらにトレーニングを行って体力そのものを強化する事も考えられます。

使いにくい装備は見直しが必要で、工夫を加えて使いやすくするか、場合によっては買い換えが必要となります。

食糧計画も同様です。もし問題があれば修正を加えましょう。

行動計画(体力)、装備、食料を修正したら、再度トレーニング山行を実施してみます。

このサイクルを繰り返すことでだんだんと計画が固まってくるはずです。
それとともに、ジョンミューアトレイル踏破の自信も深まってくるでしょう。

不安を抱えたままで出発すると、せっかくのジョンミューアトレイルを心から楽しむことが出来ないばかりか、実際にトラブルが発生する可能性も高くなります。

しっかりとトレーニングをして、自信を持って本番に臨みたいものです。